悪徳投資商法は知人や友人から持ち込まれます。
知人や友人が善意から貯金通帳を見せて紹介するケースもあり、判断が難しいものです。
しかし、全て出資法違反か無限連鎖講に関する法律違反です。 違法行為に加担しない心構えが必要です。
また、悪いとは知りながら「儲けて逃げよう」という逃げ得を決め込む人もいます。しかし、全国八葉物流の事件でも明らかになったように、破産管財人の弁護士名で儲けを出した人に対して「不当利得返還請求書」が送付されるなど逃げ得は許されません。
人を不幸にして自分だけが儲かる手はありません。 「出資するだけで毎月5%の利息が入る」など常識で考えてあり得ない勧誘話を持ってくる知人、友人自体が騙されているケースが多いものです。
一攫千金の手段はないことを肝に銘じましょう。
悪徳投資商法にはいくつかのパターンがあります。
未公開株を販売できるのは証券会社のほか、資格を持った会社に限られます。また、対象となる未公開株はグリーンシート銘柄に掲載しているものだけが販売の対象になります。「グリーンシート銘柄」に入っている企業の株なのかどうかをインターネットで確認してみましょう。
書面は貸借契約になっており「出資法にあたらないから合法だ」と説明します。
しかし、単なるお金の貸し借りではなく元本を保証した上で運用して利益を出すことは出資法に違反する行為です。
1.新規公開株購入や金融ディリバティブで利益を出すというもの
「集めた豊富な資金があるから新規公開株を確実に購入できる」と言うのですが、実際に運用しているかどうかは誰も分かりません。
借りた金を回しているだけかもしれません。個人商店でやっていることも多く極めて危険です。
具体例は、キングダムトラストニューヨークです。個人から投資会社が借用する形にして集めた資金で新規公開株を実際に購入して短期売買して利益を出して配当する手法を採りました。
「1口150万円の借人金を個人から集めて、新規公開株の売買による配当を振り込んだうえで1年半後に元本を返金する」やり方を採用していました。
5年間近くこの手法で運営してきました。参加者は口コミで広がりリタイヤしたサラリーマン、銀座の飲食店経営者などが多数参加。
しかし、社員2人で経営していたのにパートナーの女性が突如退職して社長1人になり手作業で行っていた振込みが追いつかなくなり、運用する時間も作れなくなり破綻しました。
約3000人が預けた100億円が闇に消えました。
2.外国の鉱山開発に出資させるもの(チリの鉱山開発に出資させるもの)
3.外国でのエビの養殖に出資させるもの(ワールドオーシャンファーム)
「台風でエビ養殖場が壊滅した」という言い訳で破綻しました。
都内の一流ホテルで開かれた説明会では芸能人が司会を務め何百人も集めることが珍しくありませんでした。
4.沈没船の引き上げ事業に出資させるもの(リッチランド)
1.商品売買のビジネスで概要書面や契約書面があり連鎖販売取引と思いきや、売買委託契約書を持ち出してきて「会社があなたの代わりに商品販売を行う。
一定量の商品を購入してもらえば商品は会社が預かり販売し利益を毎月5%通帳に振り込む」と称して出資させます。
実際に販売はせずに集めたお金を配当に回して自転車操業して新規勧誘が滞ると破綻します。(八葉物流、グランドキャピタルなど)
2.出資金に応じてお金の代わりになる擬似貨幣を渡してその擬似貨幣で商品購入をさせる出資者を連鎖的に増やす商法もあります。 退職金の確実な運用や消費者が得をする社会の実現などをうたい文句に洗脳するやり方ですから、社会貢献意識、公的意識の結構高い善良な人もひっかかりやすいのです。 新規出資者が滞るまでは出資金で運営できるので数年間は続きますが、マスコミによる批判記事の掲載を機に新規メンバーの獲得が停滞し一気に崩壊へと至ります。(L&G)
3.カタログビジネスへの参加料を払う人を集めるのに連鎖販売方式を採用するもの。
これはねずみ講と警察は判断しました(アースウォーカー)
4.環境対策事業への参加を呼びかけるもの。
連鎖販売取引の手法で植林や水質浄化、生ごみリサイクルなどの環境貢献事業のために出資金を集め、そのなかからマージンを支払う方式です。出資法違反で、なおかつねずみ講の疑いもあります。
5.ビジョン型と呼ばれる未来型の事業に出資させるもの。
実質的にはねずみ講です。過去には、通信機器とビジネス参加料を合わせて40万円で販売するもの、通信基地局開設のため1000万円出資させるもの(近未来通信)、最近ではインターネットをからめたビジネスが増えてきました。
配当金が得られるとオンラインゲームビジネスに参加するためCDを53万3000円で販売するもの(ヴィヴ、08年1月7日、元社長ら7人が詐欺容疑で逮捕)もその一つ。
ビジョン型は資本が相当必要なので大手資本との競合には勝てません。無理に肩を並べようとして資金難に陥りマージン支払いができなくなり崩壊するケースがほとんどです。
絵に描いた餅ならぬ「甘い未来ビジョン」に振り回されないよう注意しましょう。
国会議員や大臣経験者の花輪を会社に飾る(キングダム・トラスト・ニューヨーク)
説明会やパーティーに国会議員や芸能人・大物歌手、医師、大学教授を呼び、著名なテレビ局アナなどに司会をさせる(L&G)
NPO法人をからめて「内閣府から認められた事業」だと強弁する(L&G)
医師や大学教授、警察関係者などの名前を活用して安心感を与える(L&G)
貧困な国・地域の発展を促す(フィリピンのえび養殖)
後進国の発展を支援する(鉱山開発、カジノ建設)
ネットワークビジネスの被害者を「救済する」(八葉物流)
消費者が得をする社会を実現する(L&G)
1.詐欺集団のトップは自らが詐欺師と思っていない。
だから真剣に人のため世のために貢献していると思っている。涙も流す。
熱意も示す(皇族詐欺、八葉物流、L&G) しかし、周りにプロの策士がいて支えている。そういう悪人は表には出ないことが多い。
2.連鎖販売取引を装う(グランドキャピタル、八葉物流、L&G)
概要書面、契約書面、商品があるので連鎖販売取引と思ってしまう。
「参加者は株主社員。給与を支払っているのだから出資法違反に当たらない」(L&G)と強弁することも
3.信頼している知人が好意で話を持ってくる。
定期的に多額の金が振り込まれている貯金通帳を見せられるので信じやすい。
誘った知人も騙されており悪意が見えないから騙される。
「出資すると毎月●%が戻る」「元本保証で出資金は●年後に必ず戻る」「プロが資金運用する」「プロがあなたに代わって販売してあげる」など、楽をしながら他人のふんどしで儲かるようなうまい話はこの世の中にはないという常識を繰り返し教育する。
本当に美味しい話は巷には出てこないもの。